- 2026.01.14
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- 後見、信託
はじめての後見制度 ~利用するか迷っている方のために~

はじめに
「最近、親の物忘れが増えてきた気がする」
「銀行や役所の手続きを一人で進めるのが難しそう」
こうした変化に直面し、成年後見制度や申立て手続きについて調べ始める方が、近年とても増えています。
成年後見制度は、認知症や判断能力の低下などにより、財産管理や契約手続きが難しくなった方を法律で支える制度です。
ただ、「成年後見の申立てって、何から始めればいいの?」「本当に必要なの?」と、不安や疑問を感じる方も少なくありません。
このページでは、成年後見の申立ての手続きの流れを、できるだけわかりやすく、やさしい言葉でご紹介します。
申立ての前に
まず考えたいのは、「本当に後見が必要かな?」
成年後見は、いったん始まると、あとから「やっぱりやめようか」と簡単にやめられるものではありません。
そのため、
・預金の管理がうまくできていない
・契約の内容がよく分からなくなっている
・悪質な訪問販売などが心配
といったように、日常生活で困っていることが出てきているかを、まずはゆっくり確認することが大切です。
もし、症状がまだ軽いようであれば、
・任意後見
・家族信託
など、別の方法のほうが合う場合もあります。
申立てをする人と、行先の裁判所
ご本人が住んでいる地域を管轄する家庭裁判所に行います。
申立てができるのは、次の方です。
・本人
・配偶者
・四親等以内の親族(子や兄弟姉妹、甥姪など)
・市区町村長
実際には、お子さんが申立てするケースが多いです。
いちばん大変なのは、書類集め
手続きの中で、いちばん時間と手間がかかるのが書類の準備です。
主に必要になるのは、
・申立書
・医師の診断書(成年後見用の書式)
・本人の戸籍謄本や住民票
・財産目録、収支報告書
「財産目録」と聞くと、難しそうに感じますが、通帳や年金、不動産などを、分かる範囲で正直に書けば大丈夫です。
裁判所での確認やお話
書類を提出すると、家庭裁判所で
・ご本人との面談
・申立人への質問
・必要に応じて親族への確認
が行われます。何かを試されるような場ではなく、ご本人を守るための確認なので、落ち着いて話せば心配はいりません。
後見人が決まります
裁判所が必要と判断した場合、親族、司法書士や弁護士などの専門職の中から、後見人が選ばれます。申立てをした人が、必ず後見人になるわけではない、という点は知っておきたいポイントです。
審判が出てからがスタート
後見開始の審判が出ると、手続きは終わり・・・ではなく、ここからが本当のスタートです。
後見人は、
・財産の管理
・必要な契約や手続き
・定期的な報告(年に1回以上)
を行いながら、家庭裁判所の見守りを受けていきます。
おわりに
大切な家族を守るための、一つの選択です。
書類が多く、少し大変に感じるかもしれませんが、ひとつずつ進めていけば、特別な人だけの制度ではありません。早めに知っておくことで、いざというときの安心につながります。
申立てにあたって不安なことがありましたら、ぜひ当事務所へご相談ください。
(文責:五味)