事例紹介

2026.03.30
  • 不動産登記

建物のみに関する付記登記のある買戻権の抹消登記について

はじめに

弊所にて古いマンションの相続登記を受任し登記情報を確認すると、故人がマンションを購入した際に設定された買戻権がそのまま残っていることが判明し、併せてその抹消登記を受任することがあります。そのときに「建物のみに関する」付記登記がされていることがありますが、この付記登記は注意が必要ですので、ご説明したいと思います。

敷地権付区分建物と買戻権登記

マンションを買った場合、区分建物(一棟の建物を構造上数個に区分したもの)と、その敷地となっている土地の所有権の持ち分、という2つの権利を持つことになります。敷地権付区分建物は、この土地と建物の2つの権利が、(区分)建物の登記簿に一体になって表されています。その効果としては、建物と土地の権利を別々に処分することができなくなります。そもそもマンションの土地と建物を別々に処分することは権利の複雑化を招きますので、合理的な法制度といえます。

敷地権の制度は、1983年(昭和58年)の区分所有法改正の際に導入されました。それまでのマンションは建物と土地が別に登記されていたので、事後的に敷地権化した建物もあります。

買戻特約の登記は、昭和58年以前のマンションでは、建物部分と敷地部分それぞれに付されていたため、事後的に一体化(敷地権化)したマンションでは、敷地部分の登記の効力が二重にならないように建物部分の登記簿には「建物のみに関する」付記登記がされることになりました。したがって、建物部分にこの付記登記がある場合には、敷地権となっている土地についても別途登記簿を必ず確認し、買戻権の抹消登記を申請することを忘れてはいけません。

おわりに

登記簿に「建物のみに関する付記」と記載されているのを見ますと、建物だけに買戻権がついている(土地にはついていない)のでは?と専門家でも一瞬思ってしまいそうになるので一般の方が土地のことまで気づくのはかなり難しいと思います。買戻権がついたままとなっているマンションに関する相続登記のお手続きは是非神楽坂法務合同事務所へお任せください。 

(文責:村上)