- 2025.02.01
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- 相続
- 相続コラム
数次相続と空き家特例
はじめに
「空き家特例」とは、「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」のことです。親が亡くなり、空き家となってしまった住宅を相続人が売却した場合に一定の要件を満たすことで、相続不動産売却にともなう譲渡所得から最大3,000万円の控除が認められる譲渡所得税の特例です。(令和6年1月1日以後、相続人が3人以上の場合ですと2,000万円となっています)
空き家特例を活用するためには、「相続が発生したことによって空き家になったこと」が条件となります。ところが、この条件を満たさないような相続登記方法をしたために空き家特例が使えないというケースがございます。
典型的な事例
典型的な事例としては、相続する不動産は父親名義で、両親2人が暮らしていたが、父親が令和5年に死亡し、令和6年に母が亡くなった。父親が亡くなってから相続登記はしておらず空き家になったことをきっかけに両親の子が相続登記をした(その他空き家特例の要件は満たしている)といった事例です。
この事例は数次相続と呼ばれており、空き家特例の際に注意が必要な典型的な事例です。といいますのは、このような数次相続は司法書士の実務では「亡父→子」へ直接名義変更をすることが通常だからです。
しかし、空き家特例の要件は「相続が発生したことによって空き家になったこと」ですので、この事例の場合この要件を満たすためには、まず不動産の名義は母の名義にする必要があります。父が亡くなった時点では母は存命で不動産にお住まいのため空き家ではない状態からです。
その一連の流れが登記の手続きで分かるようにする必要があるため、まず 亡父→亡母 の相続登記、次に 亡母→子 の相続登記 の2段階の相続登記が手続きとして必要となります。
司法書士へ相続登記を依頼し、「子である自分の相続登記をしてほしい」とだけ伝えて依頼すると、通常司法書士は相続登記費用が節約できる「亡父→子」へ直接名義変更をおすすめします。あるいは、ご自身で手続きをされて、なるべく楽な方法でと検討した結果、「亡父→子」へ直接名義変更をするというケースもあります。これは費用や手間を最小限にする登記手続きとしては正解です。しかし上記のような典型事例の相続においては空き家特例が使えなくなってしまうことがあります。
おわりに
弊所ではご相続登記のご依頼をいただく際にはご売却ご希望の有無を確認し、必要に応じて関連不動産会社や提携の税理士をご案内させていただき、お客様の最終的なご意向に沿ったかたちでご対応をさせていただきますので、ご相続に伴う登記のご相談は是非神楽坂法務合同事務所へお任せください。
【参考】
国税庁HP
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3306.htm
(文責:村上)