事例紹介

2026.06.30
  • 相続

遺言書の検索方法について|公正証書遺言・自筆証書遺言の探し方

はじめに

親の相続が発生し遺言書を捜す場合、もし生前に遺言書の保管場所を聞いておらず、また自宅を捜しても見つからないときは、他にどのように探す方法があるのかご説明したいと思います。

『公正証書遺言』を探す方法

平成元年以降に作成された公正証書遺言については、遺言検索システムを使うことができます。全国の公証役場で作成された遺言公正証書の情報(作成公証役場名、公証人名、遺言者の氏名及びよみがな、生年月日、性別、国籍、作成年月日等)が管理されているため、この情報に基づき、遺言公正証書の有無及び保管公証役場を検索することができます。遺言検索の申出自体は無料ですが、検索の申出を専門家(司法書士等)に依頼する場合は手数料がかかります。

検索システムを利用できる人

遺言検索の申出は、秘密保持のため、相続人、受遺者、遺言執行者等の利害関係人のみが公証役場(公証人)に対してすることができます。申出の際の必要書類は、遺言者が死亡した事実を証明する書類(除籍謄本等)遺言者の相続人であることを証明する戸籍謄本(利害関係人の場合は利害関係の分かる書類)、申出人の本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証等の顔写真付き公的身分証明書、又は実印及び発行後3か月以内の印鑑証明書)です。
なお、遺言者が亡くなる前は、遺言検索の申出は遺言者本人に限られています。

遺言者の死後に相続人となる人であっても、遺言者の生前は検索できません。

 

参考(日本公証人連合会ホームページ)
https://www.koshonin.gr.jp/notary/ow02/2-q23

『自筆証書遺言』を探す方法

自筆証書遺言については、法務局へ『遺言書保管事実証明書』の交付請求をしてみるという方法があります。『遺言書保管事実証明書』とは、亡くなった方が法務局に自筆証書遺言を預けているかどうか確認できる書類です(法務局に自筆証書遺言書を保管してもらえる『自筆証書遺言書保管制度』は令和2年7月10日に開始された制度です)。遺品を探しても遺言書が見つからない場合、試してみる価値はあります。

『遺言書保管事実証明書』交付請求ができる人

    証明書の交付請求は、下記に該当する人物であれば手続きができます。

    • 相続人
    • 受遺者
    • 遺言執行者
    • 上記の法定代理人(※任意代理人は含まれません)

    遺言書保管所(法務局)窓口(要予約)、または郵送で請求が可能です。必要書類等は、遺言者の死亡の記載のある除籍謄本、請求者が遺言者の相続人であることを証明する戸籍謄本、請求者の本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証等)(法務局窓口で請求する場合のみ)、④手数料(証明書1通につき、800円 収入印紙で納付)です。こちらは、公正証書遺言と異なり、遺言者の死後でなければ請求することができません。

    参考(法務省HP
    https://www.moj.go.jp/MINJI/04.html

     

    おわりに

    遺言書がどこにあるか分からない場合は、遺言検索システムや遺言書保管事実証明書の交付請求を利用してみましょう。公正証書遺言を作成していることが分かれば、保管されている公証役場も判明しますので、謄本の交付申請が可能です(こちらは原本が保管されている公証役場のみ。郵送申請可)。また、自筆遺言書を法務局に預けていることが分かれば、遺言書情報証明書の交付請求をすることが可能です(郵送請求可)。因みに、公正証書遺言書及び法務局発行の遺言書情報証明書は、どちらも家庭裁判所の検認が不要です。ご自身での調査に不安がある場合は、ぜひ専門家へご相談ください。

    (文責:村上)